立方体・切頂8面体・菱形12面体を統一する空間充填立体
Treble Space-filling element of the truncated octahedron,the rhombic dodecahedron and cube
Prof.J.Akiyama's investigation of Atom of parallelopolyhedra began on following blocks.
He has prove that these blocks can constract the hexagonal prism and the elongated rhombic dodecahedron, too.


「多面体木工」をまとめる際のテーマの一つがさまざまな空間充填立体の関係を考えることだったのですが、
その後、佐藤郁郎先生のアイデアで、切頂8面体の6等分体と、8等分体をさらに分割してみることによって、
新しい発見がありました。3つの代表的な空間充填立体である、
立方体と、切頂8面体と、菱形12面体とを構成する原子、素粒子のような立体です。



上左の写真のように、それは96個で菱形12面体を形作りますが、
その外郭を取り去ると、中央に24個でできた切頂8面体が現われます(上右写真)。




一つ一つは、中央の山形をした6面体です。

この6面体を数学者の秋山仁先生にお送りしたところ、先生が名誉館長をつとめておられる
数学ワンダーランド(北海道網走市)に展示していただきました。
また、世界に数学ワンダーランドを紹介するために書き下ろされた「A Day's Adventure in Math Wonderland 」(2007)において、
「木工職人が作った四辺形の面からできた六面体」を意味する英語の頭文字をとって、
c-squadronと名づけてくださいました。

それは左の切頂8面体の6等分体をさらに、正方形面に「田」の字を書くように切り分けるとできるものです。
この6面体は右のようにさらに真半分にして一対の鏡像体をつくることができます。



この一対の鏡像体を、特定の稜に「兆番」がついているものとみなして裏返すと、
こんどは6個あわせて立方体にすることができます。



他方、2対の鏡像体から、同じ向きの形を取り出して凧形の面で接合すると、
九章算術でいうが一対できます。
それらをあわせると「陽馬」になり、3つの「陽馬」で立方体になるとみなすこともできます。

ですから、この一対の鏡像体は、6対で立方体、24対で切頂8面体、48対で再び立方体、96対で菱形12面体を形作る、
三重の空間充填素子とでもいえるでしょう。




  





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